バタフライエフェクト  90点

先週末にレイトで観に行きました。
泣くつもりでいったけど、泣けなかったですね〜。


かといって悪い作品では無い。
ストーリーのテンポの良さ、シナリオの練りこみ、後半のパズルを解いていくような感覚。
どれもが作り手の実力の高さを示していました。
派手なアクションは全く無い割に、2時間があっという間に過ぎてしまうぐらい引き込まれる作品です。


だけど、某サイトの99点は大げさかな〜。
第一に主人公のヒロインに対する愛情を描く描写があっさりしすぎてたために、作品のウリの一つである“愛する人のために命がけで繰り返し過去を変える”という動機の部分に感情移入し切れなかった。(実際、母親のために過去を変えたことも有ったし…)


第2に映像以外の部分での演出の薄さ。
お国柄の違いかもしれないけど、BGMでもシーンの盛り上げがあっさりしすぎていました。
切ない時は切ない音楽を、観客に泣いて欲しい時はそういう音楽をかけて欲しかったですね。
一応観客を驚かせるSEなどはそれなりにあったので、製作側はそれなりに気にしてはいたのかもしれませんが、アニメやゲームなどで昔からそういう演出になれている日本人の私には、物足りませんでしたね〜。

厳しいかもしれないけどSEやBGMといった視覚以外の部分での演出効果というのは侮れないと思うのです。
聴覚は視覚以上に人間の深層意識に働きかけやすいので、映画でもゲームでも作品の質の底上げをする非常に重要なファクターなのですよ。
悲しい場面では悲しい曲、何かに立ち向かう時は勇ましい曲といったように、受け手の感情にさり気なく方向性を示す案内標識のようなものですね。


そういえば、かって某ゲーム会社の企画会議の時に、音楽の質の向上を提案した所、社長はじめ役員に散々馬鹿にされた記憶がありますねぇ・・・
「そんなどうでもいいものに予算を掛けれるか!」って。
その後、直ぐにストーリー性のあるゲームには、主題歌をつけるのが当たり前の世の中になってくるのですが…


まぁ、いい加減なものを作りつづけた結果、既にその会社は無く、途中で独立した役員の一人も今は会社が瀕死の状態のようですがw


っと、話がそれたけど「バタフライエフェクト」、非常に良質の作品ですよ〜。
ドラマでよく泣く人は絶対に泣けます。
泣けない人も後で色々考えさせられます。
観て損は無い映画であることは間違い無し。
既に関東以外では観れなくなってるけど、まだの人は是非どうぞ♪